新卒助産師研修制度という制度が福利厚生の一部として施行されているのを、あなたはご存知でしょうか。
1年目は、看護師としての基礎的な知識と技術を習得。これから出産を迎える妊婦、夫婦の為に行われるマタニティ教室などで講師が出来るほどの実力をつけます。その後1年目から2年目の前半にかけて実際の分娩に15件ほど立会い、介助などを行います。3年目に入ると、それまでの勉強を踏まえたまとめの研修に入ります。さて、きっとこれを見ると、「新卒でもきちんと助産師の研修を受けられるのね~」と安心して助産師を目指す人は少なくないと思います。確かに、これだけの研修期間を踏めば、実際の現場に出るのも怖くないでしょう。しかし、現実をよ~く見てもらいたい。

少子化が進み、助産師だけでなく産婦人科医の数も減ってきている今、誰がこの研修を行ってくれるのだと思いますか?
それはもちろん、現場の助産師達です。ここで勘違いしてほしくないのですが、もちろん助産師の数が増えてくれるというのは、出産を控える女性にとってとてもありがたく頼りがいのあるものです。ですが、もしも自身の出産の時にその新卒の助産師が赤ちゃんを取り上げますといったら?きっとお母さん達は全力でそれを拒んで、ベテランの助産師が来るように念をこめてお願いするのではないでしょうか?看護師あがりの新人と、助産師学校を卒業したばかりの新人では、同じ新人でも経験値やスキルといった面で全然話が違います。そういった意味でも、改めて、助産師不足の深刻化について考えねければなりません。

かといって、新人が研修を受け、経験を積まないうちはいつまで経っても新人のまま。何も仕事を頼む事が出来ません。そこで助産師となるべき人達には、ぜひとも規定の研修だけでなく、様々な場所で研修を受けて経験を積んでいただきたいと思います。無茶苦茶に聞こえるかもしれませんが、それだけ新しい命を産むお母さん達は不安で、自分だけではどうにもならないのです。そんな時居てくれる助産師は、新人であろうとベテランであろうと頼りになるもの。その実際の現場で、助産師自身がてんやわんやにならないようにする為に必要なのが研修であるといえるでしょう。そして、経験は何ものにも変えられないもの。無駄な時間はいらないですが、無駄な経験は一切ないのです。

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